演劇の「記録」を読み直す

観客の目前で、時空間を共有しつつ提供される演劇や舞踊などの舞台芸術。録音・録画技術の向上が、作り手の起こした事象の記録に貢献する一方で、観客との間で共有されたはずの“ある場所・ある時間”は、記録の対象からこぼれ落ち、永遠に葬られてしまうのでしょうか。

当サイト「ACL現代演劇批評アーカイブ」は、かつての上演をいかに現代に引き受け、次世代に伝えるかという演劇史上の問題意識から出発しました。日本の近代演劇の歴史が始まった明治時代から現在まで、新聞や雑誌を主な舞台に書き続けられてきた劇評は、舞台芸術の流行や個別の作品の成否を知るためのツールとして広く親しまれています。しかし、そのほとんどは、保存され蓄積されることも、横断的な検証に使われることもなく、時間の経過と共に忘れ去られてしまっています。

ここに集められたのは約2000件におよぶ日本の現代演劇批評の掲載データです(2020年3月11日現在)。それはある場所・ある時間”を共有した人間たちの“時代の記録”でもあります。過去の上演のあらましを知ることはもちろん、よりいっそう複眼的な視点からその成果を検証し、さらには演劇史への新たな視点を見出すために、このアーカイブは開かれます。“いま”は過去から続くプロセスの先端にすぎません。過去を探索しながらようやく、私たちはそれぞれの現在地を知り、未来を思い描くことができるのです。

[ 企画・ディレクション ]
鈴木 理映子(ACL特別研究員)

[ サイト開発 ]
オカザキ(studio-overdrive
創(studio-overdrive

資料・情報提供のお願い

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